社内ニートが巡る全国旅日記

今にも会社クビになりそうな超ド底辺社畜ニートがいろんなとこ巡ってます

大江天主堂のふもとにある「天草ロザリオ館」に行ってきたっぺ!(^^)!

天草訪問の目的地であった崎津教会をあとにして凍えるような寒さの中やってきたのは「天草ロザリオ館」だ。大江天主堂の建ってる丘のふもとにあり隠れキリシタン関連の資料が豊富に展示されている

 

本来の訪問目的は大江天主堂であったが時間もるので寄ってみることにした。入場料は一般300円、高校生200円、小中学生150円(2021年末時点)となっている

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館内に入場するとまず案内されたのがここの映像ホールというコーナーだよ、拝観者は私の他には10名程度この映像ホールでは禁教下の天草地方の生活などを上映している

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ここではじめて経消しの壺伝説というものを知る

 

【経消しの儀式】とは

当時の隠れキリシタンは経消しの壺というものを葬式の時に使用していた。目的は仏教のお経を閉じ込めるためのもの

 

キリシタン弾圧化のキリシタンたちはすべて表向きは仏教徒でなくてはならず、すべての催事や行事はすべて仏式でなければならなかった。

葬式ももちろん同様でお寺からやってきたお坊さんのが死者の前でお経を唱えている間、となりの部屋ではキリシタンのリーダーが経消しの壺というものを置いてその前で隠れ言葉を唱えながらお経を壺の中に封じ込めるといった儀式的なことをやっていたらしいんだよ、そしてお坊さんが帰ったあとの改めてキリスト教の葬式の儀式をおこなっていたそうだ

 

ちなみにであるがこの映像コーナー上映時間はおおよそ20分程度であるのだが、寒さと長旅の疲れと館内の暖房が非常にここちよく途中何度も寝落ちしてしまいましたw

 

 

最後まで見終わったのは3周目くらいの上映だったよ

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ロザリオ館の内部はこのような当時のキリシタン関連の遺物がたくさん展示されている。これはキリシタンの墓石

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これは当時の天使の像だ。崎津の資料館に展示されているものとは多少違う。キリストが生まれた場所(馬小屋とされている)にて馬と牛がいた。

馬はキリストを暖かく見守っていたが、牛のほうは凶暴性を見せてキリストを攻撃しようとしたので牛はいけにえにされたと言われている

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そのような事実は聖書には一切記述されておらず、この地方に語り継がれている寓話なのだ。だからこっちの像は踏んづけられてるのはサタンじゃなくて牛なのだw

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これが当時の家庭祭壇を復元したもの。一見すると神だなっぽく見える。とっさの場合に十字架やマリア像を隠せるような工夫が感じられる

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そしてこれが高札(こうさつ・たかふだ)と呼ばれるもの。キリスト教またはその儀式については固く禁止すると書かれている←勝手に翻訳!(^^)! これは明治政府が出していたもの

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ちなみによく「○○崩れ」(○○のところは地名が多い)という言葉を耳にする。「崩れ」というのは簡単に言うと、ある地域でキリスト教信者が大量に発覚すること。しょっぴかれた信者たちは改宗を求められるが応じないものは即極刑となる

 

またキリシタンが発覚して根絶やしにしていたはずだったのにまたもや同じ地域から大量に隠れ信者が発覚する場合は○番崩れという言い方をする

 

 

ちなみに長崎の浦上地区はなんと4番まで崩れている

 

 

ここ天草地方(大江・﨑津・今富・高浜地区..など)でも1805年(文化2)に5000人以上の隠れキリシタンが発覚するという事件が起きた。きっかけは...

 

「あそこの家なんか牛肉をお供えしてねぇ?」

ってのが始まりらしい。当時は牛や馬を殺すことは禁じられていたそうだ

 

 

ただ長崎やその他の地域と異なるのは天草はマリア観音や銭仏を礼拝するという独特の信仰形態をとっていたためキリスト教ではなくまったくの新興宗教という扱いで処刑はまぬがれたそうだ

 

 

おそらく当時の領主や代官たちの忖度によるものだろう

 

 

捕まったキリシタンとの間でやられた想定される問答

「今回は全員改宗手続きしとくけど、キリスト教の儀式派手にやられるとこっちの身もあぶねぇから今後は徹底して隠れてやってくれ」って感じだったんだろう

 

 

大江地区で有名なのはガニエル神父だよ、ここの地域の布教に人生のすべてを捧げた神父さん。ガニエル神父直筆の手紙

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そして祭服

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とにかく当時日本に宣教に来ていた司祭たちは人生の一生をこの日本という異国の地の布教にささげており、手紙などのやりとりはあったもののほとんどは二度と故郷に帰ることもなくこの土地に骨を埋められたんだよ。

家族を捨て友人をすて本国の名誉や地位や財産も捨て身の危険をさらしながら布教をおこなっていた彼らには頭が下がる思いだよ

 

 

ド・ロ神父の版画、特に左の絵は有名で仏教徒は全員地獄に落ちるというもの

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そして大江天主堂での写真、結婚式や葬式

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結婚式、当時はカトリックでも文欽高島田だったんだね

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そして洗礼式、近年キリスト教信者はプロテスタントへ流れていってしまいカトリックの信者の平均年齢はどんどん上がっていっている(あくまで日本の話)

当時の写真はとても貴重だよ

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以上で「天草ロザリオ館」の内容、写真撮影は禁止だったので写真はないがその他「経消しの壺」などが展示されている

 

 

なおこの施設には「天草玩具資料館」というものが併設されており全国の伝統的なおもちゃなどが併設されている。キリスト教関連の資料とはまったく関係ないものがなぜ展示されているのかは不明である