地底の奥底まで!! 青函トンネル記念館に行ってみたっぺ
青森の竜飛岬にある「青函トンネル記念館」へ行ってきました。石川さゆりの名曲「津軽海峡冬景色」の歌詞にも出てくる竜飛岬だけど、この曲がヒットした当時は北のはずれはまだ竜飛岬だったのじゃ
この記念館は青函トンネルが開通した1988年にオープンしたのじゃ。
ついに竜飛岬に到着。。是非とも来てみたかった青函トンネル記念館に突入。。それにしても風が強ぇぇぇぇ。。
津軽海峡と聞いて思い出すのはやはり本州と北海道を結んでいる海底トンネル「青函トンネル」だろう。これは世界で最も長い海底トンネルであり日本が世界に誇る技術の象徴でもある。このトンネルの総延長は53.85キロメートル(海底部分は約23キロ)
ってフルマラソンの距離よりも長いやないかいw
この気の遠くなるような長さのトンネルを24年かかって完成させたのだ。そもそも本州と北海道の距離って津軽半島の三厩より下北半島の大間からのほうが距離が短いからいいんじゃねって思ったりするんだけどやっぱ地質調査とかで適してなかったんやろうかね
坑道体験ツアーに参加する。¥1000也
地質調査は1945年以に開始されて(戦後すぐやんか),洞爺丸の沈没事故からやはりトンネル作らにゃあかんってことになったそうだよ。洞爺丸事故っていうのは日本海難史に残る未曽有の大事故で1954年に津軽海峡を通過した台風により海上は大時化、洞爺丸を含む連絡船5隻が転覆して1400名もの犠牲者を出した事故だった。
工事開始は1964年、当時はすでにシールド工法っていうのはあったらしいんだけど津軽海峡の下の地盤って複雑でこの工法は当時は使えなかったらしい
ゴンドラに乗って地下140mまで一気に下る。。それにしてもさすが観光客多い。。俺は座れなかった。。
ちなみに日本はもちろんのこと世界最初の海底トンネルは本州と九州を結ぶ関門トンネルだ。完成したのは昭和17年。ってまだ戦時中やないか
世界に目を向けるとやはりいちばん有名海底トンネルはイギリスとフランスの間のドーバー海峡の下を結ぶユーロトンネル。距離自体は約50キロメートルと青函トンネルよりは短いのだが海底部分の距離は約38キロで青函トンネルよりも長いのだ。
昭和62年に工事が開始されて平成6年に鉄道海底トンネルが開通した
日本が世界に誇るこのトンネルのスペックは以下のとおりじゃ
総延長: 53.85km
レール長: 52.57km
最大海面下: 240m
工事に投入された人的資源: 約1400万人
発破に用いられた火薬量 : 2860トン
総工費: 6900億円
年間の維持・管理費: 8億円
殉職者: 34名
このトンネルは実は4本あって本坑用と作業用、先進導坑、連絡用ってのがあって主に本チャン用のトンネルを掘るための地質調査や作業員、建機、建材の搬送用として使われる
まずはこの先進導坑っていうのを掘っていくんだけどこれに19年の歳月がかかったそうだよ
このトンネルは当初から鉄道トンネルとして作られたもので自家用車の通行は考慮されていない。どうせなら自動車も通れるようにしとけばよかったのにて思ったりもするけど排ガスの換気設備なんか海底でどうやって設置するんかとか、50キロにもおよぶトンネルで事故なんか起こされてトンネル内で渋滞となったら酸欠でみんなあの世行きじゃ。
世界を見渡しても道路用トンネルでも10キロを超えるものがほとんどないのもそういった理由や、まぁ個人的にはカートレインはまた復活して欲しいって思うんやけどね。
工事は苦難の連続で1日に1mしか堀り進められない日もあったらしい。そしてトンネル工事では避けて通れない恐怖の惨事「出水」じゃ
ここ青函トンネル工事でも多分に漏れず大出水が発生!!
って海の真下でどうやって止めるんや。掘削作業してたらある日岩盤から水がドバっと噴き出してきてその量が毎分何トンとかいうレベルで水没したら普通の人間ならメンタルやられちまってるやろう
ここ青函トンネルの最大の出水は工事開始12年目に発生、10分もしないうちに25mプールいっぱいになるくらいの水が噴き出してきて工事はほぼ4か月中断、ありったけのポンプを稼働させて毎日排水作業だけの作業やったらしい。
作業員たちのメンタルは神!!
それにしても工事で使われていた機材などがそのまま置かれていてとても興味深いものだった。。
トンネルの掘削工事って俺が生まれる前から始まっていて掘っていくとそれなりに経験値がたまってきていろんな工法が途中で考案されていったそうだよ。以下は青函トンネルでの「三大発明」と言われている
1.先進ボーリング
トンネル工事はこれから掘り進む先に土壌がどうなっているかが当然わからないわけで、掘削していったらいきなり柔らかい地層になって岩盤が崩落したりとかいきなり水脈にあたって水が吹き出たりする事故が多かったんだけどこの」やりかたはあらかじめ掘り進む先に対してボーリングって小さい穴をあけてその土壌のサンプルを調査することによって工法の選択や対策なんかを立てて掘り進めるやりかた。青函トンネルでは2km以上のボーリングをおこなったそうだよ
2.地盤注入
トンネル工事で避けられないの出水で溺れてなくなる方も大勢いたそうだよ。海面下240mにもなる出水する水の圧力もハンパないもので、これを未然に防ぐために周囲の岩盤に穴をあけ特殊なセメントを流し込んで地盤を補強してから掘り進めるというやりかた
3.吹き付けコンクリート
よく映画なんかで見るように掘り進んでいったトンネルは崩落を防ぐため鉄や木組の型枠をはめ込みながら掘り進んでいってたんだけどこれは掘ったらすぐに周囲の岩盤にコンクリートを吹き付けて岩盤を補強・安定させ岩盤の崩落(肌落ち)や出水を防ぎながら堀進めていく方法
他の観光客は何も考えていないようだが私はあることを考えていた。。もしここで大地震などが起こってトンネルが崩壊して大量の海水がなだれ込んできたらここで窒息死だな。。冷たい水の中で死ぬのってどんな感じなのだろうって思いながら歩いた。
そして青函トンネルの最大の難所はやはり固い断層だったらしい。ものすごい地圧で建機のドリルがことごとくやられてしまうのだ。
1km掘り進むのに5年かかった( ゚Д゚)
と同時にやはり日本の技術力の高さを実感した。。日本人であることに誇りを持てた瞬間だった。
体験ツアーは約45分。。¥1000かかりますが元は十分にとれると思います。。竜飛岬に来たら必ず行くべきスポットでしょう。